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股関節の前側が痛い・つまるのはどうして?
2021-01-27健康情報
藤倉
こんにちは!ラクサス+横浜の藤倉です。今日はこんなお悩みに答えます。
『股関節の前側が痛いよ。腸腰筋のストレッチしてもよくならないし、詰まる感じもするよ。なんとかして!』
股関節の前側に痛みをきたしている人って結構多いです。特にマラソンやダンスをやっている人は多い印象です。まずは痛みが出ている人の症状から見ていきましょう
股関節が痛い・つまる人の症状
まずは股関節とはどこかというのをおさらいしておきましょう。股関節は骨盤と大腿骨(太ももの骨)がくっついているところですね。股関節の前側に痛みやつまりを感じる人はおおよそこの辺りに症状を訴えることが多いです。
具体的には、
・歩く時、地面を蹴った直後に痛む
・しゃがんだ時に痛む
・ダンスをしていて足を後ろに伸ばすと痛む
・走っていて足を動かすのが痛い
・ストレッチしていて股関節を曲げると、つまる感じがする
などなど、こんな訴えが多いでしょうか。
痛みの種類としては、
・筋肉がつっぱるように痛む
・ズキンと鋭く痛む
・つまる感じがして鈍く痛い
・痛いところを押しても痛い
など、痛みは人によって感じ方はさまざまであることが多いです。痛みを感じている場所は共通ですけどね。
では次は原因と解決策について探ってみることにしましょう
股関節が痛い・つまる原因と解決策
その1股関節の前側の筋肉が固い
筋肉は固くなると伸びなくなるし縮みづらくなります。歩く時というのは、地面を蹴る際足が後ろにいきますから股関節の前側にくっついている筋肉、すなわち「腸腰筋」や「近位内転筋」は伸ばされます。
ここでこれらの筋肉が伸びづらいと、無理やり伸ばされることになるので痛みを感じる、ということが起こります。
また、しゃがんだり、股関節を曲げた時は、今度は筋肉は縮こまる必要があります。しかしこの時もうまく縮むことができないと挟み込まれたりして痛みを感じたりすることが起こります。
この場合の解決策は、筋肉の伸び縮みをする能力を取り戻してあげることが重要です。ストレッチをしたり、簡単なエクササイズをしてあげることで筋肉を活性化し、正常な伸び縮むする能力を取り戻してあげるのです。
その2股関節がうまく動いていない
なんだかざっくりした表現になってしまいましたが、股関節というのは「寛骨臼(かんこつきゅう)」という受け皿に「大腿骨頭(だいたいこっとう)」という球状の突起がはまり込んでいる形になっています。
本来関節は前後左右からの引っ張られる力がバランスよく作用することで、スムーズに可動しています。しかしなんらかの理由でこの引っ張られるバランスが崩れてしまうと大腿骨頭が前にずれてしまうということが起こります。そうなると股関節の前側の筋肉や靭帯は伸ばされたり挟み込まれてしまい痛みを発することがあります。
この状態は「大腿骨前方すべり症候群」と呼ばれています。
大腿骨前方すべり症候群の最たる原因は、大殿筋(お尻の筋肉)と腸腰筋(股関節の前側の筋肉)がうまく活動していないことが挙げられます。
歩くときや走る時など、足を後ろに蹴り出すときに使われる筋肉は大殿筋とハムストリングス(もも裏の筋肉)です。この時大殿筋の活動が弱いとハムストリングスが主に活動することになります。
大殿筋と違い、ハムストリングスは大腿骨にはほとんど付着していないため、細かな大腿骨頭のコントロールができません。そうすると大腿骨頭が前方に滑り、股関節前面の筋肉や靭帯にストレスをかけてしまうというわけです。ストレスがかかり伸ばされたり、炎症の起きてしまった前側の組織は痛みを生じたり、筋肉がうまく活動しなくなってしまい。股関節を曲げた時につまりを感じたり、痛みを感じたり、ということに繋がってしまいます。
この症状の解決策は、大殿筋の機能を取り戻すことにあります。僕個人としてはここに腸腰筋の活性も重要な要素として考えています。腸腰筋は股関節を曲げるときに大腿骨頭をうまく滑り込ませる作用を担っています。だから大殿筋だけでなく腸腰筋も同時に使えるようにすることでよりスムーズな股関節の動作を生み出すことができるはずです。
僕が今までみてきたお客様でもっとも効果が高かったのはスクワットの動作をしてもらうことです。
お尻を下げすぎるとつまり感が生じる場合もあるのでその時はつまりが生じる手前までにしますが、数回大殿筋を優位にしたスクワットを行うとかなり痛みが改善されました。経験上は自重のスクワットよりも負荷をかけたスクワットの方が改善傾向が強かったです。おそらく負荷をかけることでより大殿筋と腸腰筋の活性が強く促されたためだと考えます。
スクワットはやり方によってどの筋肉が優位になるかは大きく変わってしまいますが、大殿筋を優位に使うようにすれば必ず腸腰筋も活動してくれるため先程の僕の狙いには合致しています。
スクワットは股関節を曲げる動作が主ですが、それによって足を後ろに蹴る動作の時の痛みも改善されることが多いです。おそらくこれも大殿筋の活性により蹴る動作時も大殿筋がハムストリングスに比べ優位に働いてくれるようになった結果だと考えます。
まとめ
股関節の前側が痛む症状はさまざまな原因が考えられます。そして原因によって施す対処も変わってきます。
上にあげた二つの場合だけでも、腸腰筋の硬さが原因であればストレッチやマッサージは有効ですが、大腿骨前方すべり症候群だった場合はマッサージは意味をなさないし、腸腰筋のストレッチは禁忌とされています。完全に対処が真逆なので自分で痛みをなんとかしようとする前に一度専門家に診てもらうのがいいかもしれません。
参考文献:運動機能障害症候群のマネジメント
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