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梅雨に多い 『気象病』って?
2024-06-28健康情報
加世田 KASEDA
寒暖差や天気や気圧、湿度など気象の変化によった起こる不調を『気象病』と言います。
その症状は様々で、頭痛やめまい、耳鳴り、関節痛、古傷の痛みなどが挙げられますが、中でも多いのが頭痛です。
気象病の原因は、体調を正常に保つ働きが過剰になること
気象病が起こる原因は、自律神経の失調です!
自律神経は、体調を保つために、呼吸、血液循環、消化、体温調節、をはじめ様々な機能をコントロールしている神経です。
気温や気圧などの気象全般の変化に、自律神経が敏感に反応して、鋭敏に働いてしまうことで起こってしまいます。
わたしたちは暑いと感じたら汗をかき、冷えた時は、顔などが熱くなることがあります。これは、体温を調整しようとする自律神経の働きです。暑さや寒さに体を順応させるために、体温をコントロールしているのです。そのように、本来は体を正常に保つために働くものですが、働きが過剰になってしまう事で気象病が起こります。
月経や更年期のある女性に多い
月経周期は様々なホルモンで調整されていて、約1ヶ月の間にバランスが変化しています。そのホルモンバランスの変化に、気象の変化が加わることで、自律神経の働きが過剰になってしまうのです。更年期の女性もホルモンバランスが乱れやすくなるため、気象病が起こりやすくなります。
また、その人の気質にも関係があり、小さいことが気になる人や、精神的ストレスを受けると、湿疹など身体に変化が現れる人も気象病になりやすいと言えます。
梅雨に多い頭痛
気象病の症状で最も多いのが頭痛です。
東洋医学では、気象病の多くは『水滞』(水毒)だと考えられています。
『水滞』(水毒)とは、汗やリンパ液などの体液の循環が悪くなった状態のことを言います。
頭痛は、血管内に余分な水分が溜まって血管が拡張して神経を圧迫することで起こります。湿度が高く汗をかきにくいつゆは特に頭痛が起こりやすくなります。
気象の影響で起こりやすい頭痛
◯偏頭痛:ズキズキと脈打つように痛むのが特徴
◯緊張性頭痛:頭がギューッと締め付けられるのが特徴
東洋医学では人は季節により、風(ふう)、寒(かん)、暑(しょ)、湿(しつ)、燥(そう)、火(か)と言う6つの気候変化(六気)の影響を受けると考えられていて、この六気が体の適応力を越えるほど激しく変化して体調の不調を引き起こす場合、それぞれ、風邪(ふうじゃ)、寒邪(かんじゃ)、暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)、燥邪(そうじゃ)、火邪(かじゃ)(熱邪)と呼びます。(六つ合わせて『六淫』とも言います。
このうちの『湿邪』によって『水』が身体のいろいろな部位に留まり、偏在することで様々な症状を引き起こすことを『水滞』(水毒)(すいたい、すいどく)と言います。
もともと体質的に『水滞』(水毒)の傾向にある方は湿邪によってさらにその傾向が強まり症状が悪化することが多いです。
『水滞』(水毒)による症状
『水滞』(水毒)による症状は、『水』の巡りが身体全体で滞ると、頭痛・頭重感・めまい・頻尿・膀胱炎。手足の冷え・むくみや重だるさなどが見られます。特に胃腸などの消化器(脾)はもともと『湿邪』に犯されやすく、ここに『水』が滞った場合には、胃もたれや食欲不振、吐き気、下痢などの消化器症状が見られます。
消化の力が弱まると疲れやすくなったり体がだるくなったりします。胸の辺りで滞っている場合は、水様鼻汁や痰、咳、喘鳴(呼吸をするときヒューヒュー、ゼーゼーなどの音がする)などが見られやすいです。また、関節に『水』が溜まり、関節の痛みやこわばりナフォが見られることもあります。
『水滞』(水毒)にならないために
適度な運動が大事です。筋肉(下半身の筋肉)が少ないと筋肉がポンプのように働いて体内の水分や血液を循環させる力が弱くなってしまうため『水滞』(水毒)の原因になります。
毎日の生活の中で少しでも体を動かし、歩くようにしましょう!夏でもお風呂に浸かって体を温めることも効果的です。
水分を一度にたくさん摂らず、少量ずつこまめに取るなど工夫も有効です。『湿邪』の影響を受けやすい胃腸を護るため暴飲暴食は避けましょう!
また、エアコンのかけすぎや冷たい飲み物の飲み過ぎで、冷えがあると胃腸の働きが低下して『脾』に『水』が滞ってしまうので、身体を冷やしすぎないように気をつけましょう!
『水帯』(水毒)を改善するツボ
「三陰交」(さんいんこう):気や血を補って、食べ物の吸収や利用率を高めて、脂肪の蓄積を抑えます。冷え性対策にもなり、ホルモンバランスを整える効果もあります。泌尿器系疾患、腹部の張り、自律神経失調などにも良いとされている
「湧泉」(ゆうせん):心と身体のエネルギーが湧き出す、重要なツボ。血液循環が良くなり、むくみ、疲れが取れます。
「足三里」(あしさんり) :様々な症状に効果があり、内臓全般の不調や代謝異常を緩和します。免疫力もアップする。
「腎兪」(じんゆ):腰痛、背部痛、耳鳴り、浮腫、月経不順、不妊、排尿困難に効果がある。
「脾愈」(ひゆ):胃腸疾患、胃下垂に効果があり、胸、お腹、背中の痛いを和らげる効果がある。
「豊隆」(ほうりゅう) :胃痛や胃もたれなど消火器症状に効果。余分な水分の排出をスムーズにしてくれる。頭痛やめまいにも効果がある。
「陰陵泉」(いんりょうせん) :脾を元気にして、体内の余分な水質を除去してくれます。
「承山」(しょうざん) :むくみに効果のあるツボ。腎機能の低下や腰痛、膝の痛みに効果がある
「水分」(すいぶん) :水分代謝を促し、身体の水はけを良くしてくれる作用がある。
これらのツボを使い身体の中の水分調節をして『水滞』(水毒)を改善していきます。
また、各症状に合わせてツボを選択して不快な症状を改善していきます。
痛みや不快な症状を出さないために
気象病は、根本から治すことは難しいですが、症状を緩和させることはできます。
気象病は『水毒』状態ですから、普段から余分な水分を溜め込まない身体を作っておくことが大切です。軽い運動を習慣にして、汗をかける身体を作っておくことが予防法の一つです。
しっかりストレッチをして、じわっと汗をかける運動ウォーキングなどがオススメです。
運動は、体にとって体温が上がるなどの適度なストレスになり、自律神経の安定にもつながっていきます。
また、ツボを使った治療ではなく、体全体をマッサージで筋肉をほぐし血行を改善して代謝を上げていくことで予防も出来ます。
早めの治療と定期的なケアで気象病(水滞、水毒)から体を守っていきましょう!
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