News最新情報
三叉神経痛には鍼(ハリ)が効く!
2021-12-23健康情報
加世田 KASEDA
顔の方側の感覚が鈍く、ときどき痛みが走ったり、食事や歯磨き、洗顔の時に痛みが走ったり、鼻の脇や口の周りを触ると痛みが出る場所がある等の症状に悩まされていませんか?
それは、三叉神経痛かもしれません!
私はマッサージの資格以外に鍼・灸の資格も保持して30年ほど、治療院をやっていました。その治療院の時には、多くの顔や口の不愉快なシビレや痛みのある患者さんを治療して、不快な症状を改善してきました。
そんな 加世田が、三叉神経痛について説明していきます。
三叉神経とは
三叉神経は顔の感覚を支配している神経です。神経は脳幹という脳の中心部から始まり神経の線維が脳槽という空間を通りテントと呼ばれる構造の中に入っていき、そこから3本の大きな枝を出しさらに細かい神経の線維を顔・頭の全体に伸ばし、それぞれを支配している神経です。皮膚にくまなく分布して、軽く触った感じ「触覚」、
痛み「痛覚」、熱い冷たい「温度覚」などの感覚情報のセンサーの役割をしています。
三叉神経痛の症状
顔の皮膚と口の中の粘膜、歯と歯茎の感覚を司る神経が「三叉神経」です。
この場所のどこかに、ビリッとくるような瞬間的な激痛を起こす病気が「三叉神経痛」です。
〇発作的で一瞬の痛みで長くても1~2分程度しか持続しない。
〇顔の表面を刺すような、または電気が走るような、激しく鋭い痛み
〇発作のない時は、無症状
〇他の脳神経症状を伴わない
〇きっかけとなる動作(トリガーポイント)がある (食事、歯磨き、洗顔、髭剃り、化粧)など
〇同じ症状の繰り返し一定の部位の決まったトリガーがある
第1枝(眼神経)…眼下上孔
第2枝(上顎神経)…眼窩下孔
第3枝(下顎神経)…オトガイ孔
最初のうち痛みの程度も軽く、頻度も少ないですが、次第に痛みの強さや頻度が増していき、原因が分からず、何年も我慢している方も多くいらっしゃいます。
また、歯が痛くて歯科を受診して、歯には虫歯も何も異常が診られなかったり、抜歯までしたのに痛みが変わらないなど、原因不明のまま途方に暮れる方もいます。
三叉神経痛の原因
三叉神経痛の原因は、三叉神経に動脈が接触して、心臓の拍動(ドクドクと排出される血流の拍動)が神経を刺激し続けることによって、神経細胞が痛んで、電気的なショートのような現象がおき、顔面に軽い刺激が加わっただけで、増幅された激しい痛みとなって感じられるようになります。
その他に脳腫瘍や血管奇形やヘルペスなどによる三叉神経への圧迫出の原因もあります。
東洋医学的な見方
風と寒の邪気が合わさって顔面の経絡が侵されます。顔面に冷たい風を浴びてしまったり、ウィルスなどの原因によって発症してしまいます。風は、身体の上部を侵し、寒は収引作用(縮める)や凝滞作用(滞る)があるので気血の流れが悪くなり、痛みを誘発して三叉神経痛を起こします。顔を冷やすと痛みが増し、温めると緩和します。
鼻水が出やすく多くなる傾向になります。
熱症
風熱という外邪やストレスから気が滞り熱化(気が滞ると熱になる)して、火に変わり、火や熱は上昇する性質から、身体の上部の経絡に影響を及ぼします。肝火・胃火など、顔面の経絡の流れを悪くして、三叉神経痛を引き起こします。
焼かれたような痛みや目が充血したり喉が乾いたりします。
肝化:ストレスや怒りから肝の疏泄機能が失調して肝鬱になり、火化して顔面部が炎上し、顔面痛になります。
胃化:飲食の不摂生から火化または熱化して上部炎上し顔面が痛み、灼熱して疼痛が出ます。下は赤く黄苔で乾燥気味になります。
陰虚
疲労などで、腎精が不足して火を制御できなくなり、火虚が発生して顔面部に炎上が起きます。顔面の慢性的な痛みで、あまり激しくない痛みが出ます。舌は赤く苔は少なく脈波細くなります。
鍼(ハリ)治療はどうするの
主要穴としては耳門(じもん)・顴髎(けんりょう)・太陽(たいよう)・陽白(ようはく)・大迎(たいげい)などを選び鍼による治療をします。また、乳様突起の周囲の阿是穴や風池(ふうち)・天柱(てんちゅう)・頬車(きょうしゃ)、四白(しはく)、翳風(えいふう)にも鍼で刺激します。
それ以外に肝火・胃火・陰虚などの時に太衝(たいしょう)・陽陵泉(ようりょうせん)・足三里(あしさんり)・血海(けっかい)・内関(ないかん)期門(きもん)・中脘(ちゅうかん)・曲池(きょくち)などを使い痛みを軽減していきます。背中の兪穴(腎愈・肝兪・脾兪)なども配穴することもあります。一回の治療で、直ぐ良くなるものではないですが、少しずつ改善していきますので、是非ご相談ください!
Commentsコメントコメントする
登録されているコメントはありません