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顔面神経マヒには、鍼(ハリ)が効く!
2021-11-19健康情報
加世田 KASEDA
ある日突然顔の一部分、あるいは半分が思うように動かせなくなる状態、顔が曲がったりまぶたが閉じられない、口が閉じられないため、食べた物や口に含んだ水がこぼれてしまいうまく食事ができない。その他には、味覚がおかしい、唾が出にくいなどの症状がある時、それは、顔面神経マヒです。
顔面神経マヒの発症の1~2日前くらいに、耳の周りの痛みや聴覚に痛みや異常が診られることがあります。
私はマッサージの資格以外に鍼・灸の資格も保持して30年ほど、治療院をやっていました。その治療院の時には、多くの患者さんを治療して、不快な症状を改善してきました。
そんな 加世田が、「顔面神経マヒ」について説明していきます。
顔面神経マヒの末梢神経マヒの症状
〇目を閉じれない(目を閉じようとすると眼球が上方に回転する)ベル現象
〇マヒ側にシワを作ることができない(前頚部のシワが無くなる)
〇口笛が上手く吹けない
〇水や食べた物がこぼれる
〇マヒ側のおでこにシワが無くなり、眉が上がらない
〇マヒ側のほうれい線が無くなり口角が垂れさがる
〇マヒ側の舌の前2/3の味覚がおかしくなる
〇唾液や涙の分泌障害
〇発音が上手く出来ない(破裂音や濁音など)
〇耳が痛い、高い音や自分の声が響く
〇平衡感覚の異常
☆脳腫瘍などによる中枢性の顔面神経マヒの場合 顔面のマヒだけでなく、顔面の痙攣を伴うケースが多い
☆末梢性の顔面神経マヒの場合
マヒした状態で筋肉が動かず無表情で仮面のようになり、顔面の痙攣は伴わない
顔面神経マヒの原因
顔面神経マヒの末梢神経マヒの原因は不明が多いです。 ただ、局所浮腫、ウィルス感染、寒冷、末梢血管障害などが考えられ、何らかの原因で顔面神経が腫れて神経が圧迫されるとマヒが発症すると考えられます。
原因が明らかなものを症候性顔面マヒといい、ハント症候群といいます。
原因が不明な突発性顔面神経マヒをベル麻痺といいます。
ハント症候群の原因
水痘・帯状疱疹(みずぼうそうを起こすウィルス)が原因です。このウィルスが神経組織に潜んでいて、疲労やストレス、加齢などにより、免疫力の低下に伴いウィルスが再び活性化して、皮膚や粘膜に水疱を伴う病変を引き起こします。
このウィルスは、神経を傷害して、神経の分布に沿って帯状に病変が発症します。このことから帯状疱疹と呼ばれています。
耳の周りの帯状疱疹が発生して、ウィルスが顔面神経や内耳神経を侵すことにより顔面神経や難聴、耳鳴り、めまいなどを引き起こします。
顔面神経は顔面神経管という骨で囲まれた狭いトンネルを通って脳から外に出ます。何らかの原因で顔面神経が張れると顔面神経が圧迫されることにより、顔面神経マヒが発症すると考えられます。
ベル麻痺の原因
顔面神経マヒの原因としては最も多いもので、ベル麻痺では、明らかな異常は見つかりません。むしろあらゆる検査で原因が特定できないものをベル麻痺といいます。またの名を、突発性末梢性顔面神経マヒ(とっぱつせいまっしょうせいがんめんまひ)といいます。
ベル麻痺の原因として、単純ヘルペスウィルスが、有力視されていて、耳症状を伴わない末梢性顔面神経マヒの約60%では単純ヘルペスウィルスが原因とされ、水痘・帯状疱疹ウィルスは約20%という報告があります。
顔面神経マヒはどうやって治すの?
ベル麻痺とハント症候群ともにお医者様では、ステロイドと抗ウィルス剤の内服になります。投薬治療は、できるだけ早い投薬が大事になりますので、発症してから様子を見てからではなく、すぐお医者様へ受診してください。
東洋医学からのアプローチ
東洋医学では、腎が弱ると耳に反応が現れるとしています。そのため、腎を元気にしてあげるツボと血液の循環を助ける肝の気をコントロールして、血の巡りを正常な状態にしていきます。そして顔面神経マヒの患側の筋肉や血液・気の流れを正常になるように改善していきます。
腎・肝の気の改善
復溜(ふくりゅう)、曲骨(きょっこつ)、太衝(たいしょう)、脾兪(ひゆ)、肝兪(かんゆ)、腎愈(じんゆ)、天枢(てんすう)、 期門(きもん)、陰陵泉(いんりょうせん)、陽陵泉(ようりょうせん)、三陰交(さんいんこう)、胆のう点(たんのうてん)
気血の巡りを改善
足三里(あしさんり)、関元(かんげん)、気海(きかい)、血海(けっかい)
顔や耳の症状の改善
四白(しはく)、頬車(きょうしゃ)、翳風(えいふう)、廉泉(れんせん)、顴髎(けんりょう)
頬車は咀嚼の改善、翳風は顔面神経の改善、廉泉は舌荷動きの改善が目的になります。
肩こり首凝りの緊張の改善
肩井(けんせい)、肩外兪(けんがいゆ)、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、百会(ひゃくえ)
など,全身と気血の流れを改善しながら、耳や顔の歪みの改善をして行きます。
発症直後からの治療が最善ですので、お医者様と併用しながら早期治療が大切になります。上記のツボを一回の鍼治療で全部使うことはありません。症状に合わせて選んでいきます。
最初は2~3回は、続けて治療して頂いて、その後は、2~3日おきに治療して3週間続けましょう。その後は、症状に合わせて間隔をあけていきます。治療期間が長期になる場合もありますが、焦らずゆっくり改善していきましょう!
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