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自分の心をコントロールするには!
2021-10-18健康情報
加世田 KASEDA
不安や心配・恐怖、いろんな感情が心を支配していきます。
そんな心の不安定な状態が、少しずつストレスとなって心の病気になっていきます。
強迫性障害(強迫神経症)や過敏性腸症候群などといった、神経症や心身症の治療方法として考えられた自律訓練法とは、どういったものなのか解説していきたいと思います。
私はマッサージの資格以外に鍼・灸の資格も保持して30年ほど、治療院をやっていました。その治療院の時には、多くの患者さんを治療して、不快な症状を改善してきました。
そんな 加世田が、自分の心をコントロールする!(自律訓練法とは?)について説明していきます。
自律訓練法とは?
自律訓練法は、1932年にドイツの精神科医シュルツによって体系化されたもので「中性催眠状態を得るための生理的合理的訓練法であり心身全般の変換をもたらすものである」と述べられています。
不眠症、食欲不振、便秘や下痢などの様々な症状が現れることがありますが、これらは自律神経系のバランスの崩れで起こることが多いです。自律訓練法は自己催眠により意識的にリラックス状態を作り、自律神経のバランスを自己コントロールすることで回復させる最も基本的な治療法として精神科や心療内科で導入されています。
自律訓練法の効果
〇心身に蓄積された疲労の回復
〇イライラを抑える、心が穏やかになる
〇自己を統制する力が身に付き、衝動的な行動が少なくなる
〇集中力が増し、勉強や仕事の能率が上がる
〇身体的、精神的な苦痛を和らげる
〇寝つきが良くなる
特に副作用などは見られないので、寝つきの悪い夜や感情を少し落ち着かせて物事を考えたいときなどにも有効だと言えます。
自律訓練法のやり方
自律訓練法はセルフケアで自宅で一人でもできます。まずは、姿勢と呼吸を整えましょう。
・トイレは済ましておく。
・体を締め付けるベルト、メガネ、時計、下着も緩い物を身に着けます。
・髪もほどき薄暗い部屋で、静かに落ち着ける場所にします。
訓練の時は、仰向け(布団かマットレス)か椅子に腰かけた状態になりリラックスできる状態にします。
ゆっくりと腹式呼吸を行い気持ちが落ち着くまで続けます。
呼吸が整い心が落ち着いたら「リラックス状態を心の中で言語公式として唱えながら、身体の感覚をイメージ」していきます。
〇背景公式「気持ちが落ち着いている」
〇第一公式「右手が重たい→左手が重たい→両足が重たい」
〇第二公式「右手が温かい→左手が温かい→両足が温かい」
〇第三公式「心臓が静かに脈打っている」
〇第四公式「楽に呼吸ができる」
〇第五公式「お腹が温かい」
〇第六公式「額が心地よく涼しい」
以上の七つの言語公式があります。七つすべてできなければ効果が出ないという事ではなく、多くの人は第二公式まで行って効果を実感しています。毎日2~3回、1回が3~5分です。
このとき全身の筋肉も緩むと同時に、心の落ち着きを得ることもできます。
最後に、訓練を終えた後に「両手を大きく伸ばしたり、両手を強く握ったり、首や肩を大きく回すなど、意識や筋の状態を通常レベルまで戻すためです。これを「消去動作」と言います。ただこれから就寝する時はそのまま眠っても大丈夫です。
自分で出来る自律訓練法
自律訓練法は専門家に指導が必要なものもありますが、自分で出来る自律訓練法の第一公式と第二公式を中心に紹介していきます。
姿勢:リラックスしやすい基本姿勢を取りましょう。「仰臥位姿勢」「単純椅子姿勢」「安楽椅子姿勢」などがあります。
背景公式「心が落ち着いている」:基本の姿勢を取ったら先ず、「背景公式」から始めます。背景公式とは、自律訓練法によるリラックスの前提となる「心が落ち着いている」という状態を作る公式の事です。
最初に何回か深呼吸をして、身体の緊張を緩めていきます。体を緩めることで、自然と気持ちも緩んでいきます。心身が緩んできたのを体感したら、「気持ちが落ち着いている」という言葉をここ炉の中で繰り返します。
自然に「心が落ち着いている」を受け入れることです。このような態度を「受容態度」といい、自律訓練法においてとても重要です。
第一公式:安静練習「両手両脚が重たい」
身体がゆるみ、気持ちが落ち着いていることが感じられたら、「手足の筋肉がゆるんで重たい感覚」を感じ取るための公式練習に入ります。まず利き手から始めます。利き手は神経が発達していて緊張やリラックスした状態を感じやすいためです。利き手が右の人なら、右手が重たい→左手が重たい→両足も重たいという順序で進めて行きます。「右手が重たい」と心の中で繰り返しながら右手の重さを感じていきます。右手の重さを感じ取れたら、「左手も重たい」と心の中で繰り返していき、両脚でも繰り返していきます。
第二公式:温感練習「両手両足が温かい」
両手両足が重たいと感じ取れたら、次は両手両足が温かいことを感じとっていきます。身体はリラックスすると血流が増え、血流が増えた部分の温度が上がります。自律訓練法を勧めていく中で実際に両手両足が温かくなっています。今、すでに自然にある温かさをそのまま感じ取り受け入れていきます。これを頭の中で繰り返していきましょう。
消去動作
第一、第二公式練習を行った後は、心身は深くリラックスして、頭はぼんやりして、心身は緩みや重だるさがある状態になっているので、このまま日常生活の戻るには支障があるので、身体を動かして元の状態に戻します。
これが消去動作です
両手でグー、パーを繰り返し両腕を大きく万歳をして伸びあがります。そして、深呼吸をしてから目を開けます。
継続が大事
自律訓練法は、練習を続けることが大切です。すぐに効果が得られない方もいると思いますが続けていくうちに少しずつ自己暗示が上手になっていきます。
この訓練が身に付けば、心身の不調のケアだけでなく、生活の様々な場面で応用ができます。
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