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手のマヒ違和感(橈骨神経麻痺)
2021-05-10健康情報
加世田 KASEDA
朝起きたら腕の外側が痺れていたり、動かなくなったりしていませんか?
それは、橈骨神経麻痺かもしれません!
腕枕や飲酒をして何かに寄りかかって寝てしまった場合などに起こる橈骨神経麻痺があります。
私はマッサージの資格以外に鍼・灸の資格も保持して30年ほど、治療院をやっていました。その治療院の時には、多くの腕や手のシビレやマヒの患者さんを治療して、不快な症状を改善してきました。
そんな加世田が、橈骨神経麻痺について説明していきます。
どんな症状が出るの?
橈骨神経麻痺は、恋人を腕枕して寝ると神経麻痺を起こしてしまうというものです。
土曜の夜のマヒ(Saturday night palsy)・ハネムーン症候群(honeymooners palsy)と呼ばれています。
この神経の障害は、手の甲がシビレて、多くの場合、感覚の障害より、筋肉のマヒが多い障害になります。筋肉は前腕の手の甲側で、指を伸ばしたり、手首をそらす筋肉の麻痺が起こります。
手首をそらす筋肉がうまく動かないため、指を曲げる筋肉はマヒしていないのに物をうまく掴む(握る)ことができなくなります。
腕枕で起こったものなら、分かりやすいですが、こうした記憶がないのに朝起きたらマヒしていたということもありますが、飲酒の後、何かに寄りかかって寝てしまった場合が大半です。痺れる範囲は手の甲だけで、手の平は正常です。
下垂手: 手首や指の付け根(MP関節)を伸ばせなくなり、手の甲から前腕の橈側にかけての感覚障害が現れます。肘より手前で損傷をうけた場合は下垂手となり、肘よりも先で損傷を受けた場合は、橈骨神経の深枝・浅枝分岐部の先か手前かで症状が異なります。
感覚がマヒした場合は、親指と人差し指の付け根を延長してできる手の甲の三角形の小さな部分だけなのが特徴です。運動麻痺は、指を伸ばしたり、手首を反らしたりすることができなくなります。
下垂指: 下垂指は後骨間神経麻痺や頚部脊髄症、頚部神経根症などで現れる症状です。感覚障害はありませんが、指の付け根を伸ばせ なくなるので、手の細かい動作ができず、日常生活に大きな影響を及ぼします。後骨間神経麻痺(橈骨神経深枝の麻痺)では指伸筋・長母指伸筋が麻痺になりますが、手関節の伸展は可能で痺れや感覚障害がありません。なので感覚障害などがある場合は頚部神経根症も考えなくてはなりません。
橈骨神経は肘の関節の所で深枝と浅枝に分岐します。深枝(後骨間神経)は運動神経であり、深枝のみのマヒの場合下垂指(drop finger)となり、感覚障害は生じません。
浅枝は知覚神経で、浅枝のみのマヒの場合は運動神経でのマヒは起こらず、母指付け根付近の感覚障害が出てきます。
麻痺の状態が長く続くと、筋肉の萎縮が起こり、腕の筋肉が痩せ細ってきます。重度~中程度の麻痺では、ある程度の筋萎縮は避けられませんが、鍼治療などで軽減は可能です。最終的には麻痺と筋萎縮も回復します。
どうしたら腕(手)のマヒがおこるの?
橈骨神経は、特殊な走行をしています。頸椎から鎖骨の下を通り、腋の下を通過した神経は、上腕骨の外側をぐるっと回って、外側から前腕の筋肉(伸筋)に行きます。またこの神経は、手の甲の皮膚の感覚を伝えます。
神経圧迫は、この上腕骨をぐるっと回り込むところで起こりやすいのです。この部分は、腕枕をして恋人の頭の重さが加わると、頭と上腕骨とベッドの間で圧迫されます。しかし、時には、こうした外力が加わらなくても、神経上にある上腕三頭筋(肘を伸ばす筋肉)と上腕骨の間で圧迫されることもあります。
前腕近位では、回外筋入口部で軟部組織に締め付けられて、マヒを生じることがあります。
例としてシャベルで穴掘りを一生懸命やった後、マヒに気づいたという症例があります。
こうしたマヒが起こると、ペットボトル、コップやドライヤーを持てず落としてしまう、物をつかめない、髪の毛を結べない、などの症状が出てきます。
このマヒは、ほとんどの場合、圧迫性の神経障害ですから手術などの治療は必要ありませんが、保温とマッサージや鍼治療が効果的で、回復に1〜3ヶ月を必要とすることが多いので、気長に治療していきましょう。
症状を改善するにはどうするの?
橈骨神経は、腕神経叢からなる、尺骨神経・正中神経とならぶ、頚のやや太い神経です。
頚椎症や斜角筋の緊張などでも発症するので、頚・肩周りの主要穴のツボを取りながら、橈骨神経が現れやすい場所の反応を確認しながらツボを選んでいき、症状を改善していきます。
〇手五里(てごり) 上腕三頭筋に対するツボ
〇曲池(きょくち) 橈側手根伸筋に対するツボ
〇四瀆(しとく) 総指伸筋に対するツボ
〇手三里(てさんり)・孔最(こうさい)・合谷(ごうこく)なども使い橈骨神経マヒを改善していきます。
血行の改善も大切なので冷やさない事、ホカロンや蒸しタオルで温めるのも効果があります。
マヒの改善には時間がかかりますが(1~3ケ月ほど)、必ず改善していきます。腕(手)のマヒでお困りの方は、是非ご相談ください。
〇手のシビレには「手根管症候群手根管症候群」(母指・人差し指・中指・薬指のシビレ)もあります。
https://www.toho-massage.com/salon/yokohama/news_detail.php?id=1708
〇手のシビレには「肘部管症候群」尺骨神経(薬指・小指のシビレ)もあります。
https://www.toho-massage.com/salon/yokohama/news_detail.php?mode=preview&id=1747 加世田
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