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婦人科疾患(子宮内膜症)には鍼(ハリ)が効く!
2021-01-18健康情報
加世田 KASEDA
下腹部が、前より痛みを強く感じたり、月経がだんだんひどくなっていませんか?
強い月経痛があるため学校や仕事を休まなくてはいけなくなったりしていませんか?
下腹部の痛みや頭痛を伴う激しい月経痛がある時は、子宮内膜症の可能性があります。
体調不良が続いて快適な生活が送れなくなってしまったり、不妊にも影響があるので、夫婦生活やパートナーとの関係も危うくなることもあります。
子宮内膜症は命に関わる病気ではありませんが、完治しにくい為、早めの治療を心がけましょう。
私は、マッサージの資格以外に鍼・灸の資格も保持していて、30年ほど、治療院をやっていました。
その治療院の時には、多くの内臓疾患の方を治療して、症状を改善してきました。
その、加世田が婦人科疾患(子宮内膜症)について解説していきます。
子宮内膜症ってどんな病気なの?
20代〜40代の女性に多く多くみられる病気で、生理周期が短く、一回の生理が7日以上続くような場合はかかりやすいそうてす。子宮内部を覆っている子宮内膜に似た細胞が、子宮以外の場所に飛び火したように細胞ができてしまうのが子宮内膜症です。
本来の子宮内膜は妊娠が成立しないと、剥がれ落ちて月経となります。子宮内膜症は、その飛び火した細胞が、その場所でミニ月経を起こす訳です。
飛び火する場所は、子宮周囲、子宮筋層、卵巣、卵管、腹膜、腸管、膀胱などに数ミリ程度の病変が発生します。
子宮腺筋症:子宮筋層内に病変ができ子宮が全体的に大きくなってしまう。子宮腺筋症があると月経量が多くなることがあります。
卵巣チョコレート嚢腫:卵巣内に発生しチョコレート様の古い血液が溜まります。良性卵巣腫瘍ですが0.7%程度に卵巣がんが発生するとされています。
腹膜病変:腹膜や臓器の表面に発生して、病変はミリ単位規模でバラバラと散らばって発症していて、癒着の原因になっているものです。
子宮・卵巣・腸管が癒着し骨盤内が一塊となってしまうこともあり、凍結骨盤(frozen pelvis)と呼ばれます。
鍼(ハリ)で婦人科系疾患(子宮内膜症)は治せないの?
月経周期が乱れやすい
月経痛がだんだんひどくなる
月経の出血量が異常に多くなった
月経時以外でも下腹部が痛む
月経時以外に出血がある
排便時に肛門が痛むことが多い
おなかに膨張感を感じる
赤ちゃんがほしいのに妊娠しない
こんな症状がある方は、身体に冷えがあり血液の循環が悪く、頭痛、肩こり、腰痛、全身のだるさ、などの不快な症状に悩まされていることと思います。
東洋医学から、このような症状を診ると、体の中に冷えが入り血液の循環が悪くなった状態で、そのような状態になったものを「瘀血」(おけつ)と言い、肝の気が弱くなっている状態です。虚弱体質、ストレス、冷え、貧血などが瘀血の原因になるので、肝の気を強くして、血液の循環を良くして体質を改善していきます。
東洋医学で『肝』は、精神活動をスムーズに行えるようにして、血行と代謝のコントロールと血液の貯蔵して、その血液で筋肉を栄養すると考えます。
ストレスによって、肝の気が乱れると情緒不安定などの精神面に影響が出たり、自律神経が乱れて血行不良で、手足の冷えにつながり、貯蔵している血液が少なくなると筋肉が栄養できなくなって、足がツル、爪が脆くなったりします。目の症状も肝の気の乱れによって出てくると考えられています。
鍼治療では、血液循環が悪くなって生じた「瘀血」を取り除き、腰やお腹の血行を良くして温めて、冷えや気の回りを良くして、ホルモンバランスを整え、症状を改善していきます。
頭から足までの必要なツボを刺激して自律神経のバランスを整えられるので、緊張が解れリラックスし、痛みが緩和していきます。
お医者さんでは治せないの?
内診、超音波検査、MRI画像検査、腫瘍マーカーなどで診断していくのですが、手術しないと診断できない場合もあります。
自覚症状として徐々に悪化する月経痛、下腹部痛、腰痛、慢性骨盤痛、排便痛、性交痛、不妊などが挙げられます。原因不明の不妊症の50%程に子宮内膜症があると言われています。
治療は、薬物療法(ホルモン剤など)と手術療法になります。
薬物療法での効果が得られない場合に、病巣の摘出手術や除去手術や癒着剥離などの腹腔鏡手術などが行われます。
鍼治療で使うツボは?
婦人科疾患の治療や子宮内膜症の治療で、一番、気を付けることは血液の循環です。体の冷えを取り、貯蔵の役目のある『肝』と精を貯蔵する『腎』を補って下腹部の血行を改善していくことです!
子宮内膜症で使う基本的なツボは、三陰交(さんいんこう)、関元(かんげん)、太字肝兪(かんゆ)、太字腎兪(じんゆ)、次髎(じりょう)などを使い於血を改善します。
気帯(きたい)
ストレスや精神的緊張などで血液の流れが悪くなり血行不良になる。
精神状態不安定、落ち着きがない、イライラ怒りっぽい、更年期の症状などの症状があり、ストレスなどによって肝の機能が低下して気の回りが悪くなり、瘀血が生じやすくなります。
大衝(たいしよう)、太字内関(ないかん)、足三里(あしさんり)などを使い於血を改善します。
気血両虚(きけつりょうきょ)
気虚では、全身の機能活動が弱くなり、血虚では、血の全身を潤し栄養することができなくなります。
慢性疲労や貧血などにより、気と血が不足して血行不良になります。
身体に必要な栄養物質である気や血が消耗して、血を巡らす力が弱くなだたり、血液そのものが十分に無いと血流が滞り瘀血になっていきます。足三里<(あしさんり)、合谷(ごうこく)、血海(けっかい)などを使い於血を改善します。
寒邪(かんじゃ)
夏のエアコンや冷たい飲み物や冬の寒さなどで、体内に冷えが入り体が冷えて血行不良になり、瘀血になります。
関元(かんげん)、太谿(たいけい))、三陰交(さんいんこう)などを使い於血を改善します。
湿熱(しつねつ)
暑がりで、脂っこいものや味の濃いものを食べ過ぎて身体に熱がこもり血行不良になる。潤いがなくなって血液がドロドロになり、血の流れが滞って瘀血になってしまいます。身体がだるい、腹が張り食欲が無い、ムカつき感などの症状があります。
曲池(きょくち)、陰陵泉(いんりょうせん)、足三里(あしさんり)などを使い於血を改善します。
肝腎陰虚(かんじんいんきょ)
肝は血を貯蔵して、腎は精を貯蔵する働きがあり、精と血は互いを生み出す材料に理ます。過度のストレスの持続や虚弱体質や加齢などにより、女性ホルモンの分泌が悪くなり卵巣や子宮の働きが悪くなり血液の流れが悪くなり瘀血になっていきます。
腎兪(じんゆ)、照海(しょうかい)、太谿(たいけい)、肝兪(かんゆ)曲泉(きょくせん)、蠡溝(れいこう)、中封(ちゅうほう)、太衝(たいしょう)などのツボを使い於血を改善します。
このように、症状に分かれて婦人科疾患(子宮内膜症)は発症していきます。それぞれの症状に合わせてツボを配穴(はいけつ)して、下腹部の血液の循環を改善していきます。
*上図(上記)のツボは、一回の治療で全てのツボを使用することはありません!症状に合わせて選択していきます。
鍼治療では、腹腔内の血液循環を改善して、子宮内膜症の痛みを和らげたり、予防することができます。自律神経やホルモンのバランスを整えることも期待できます。それ以外にも新鮮な血液が十分に卵巣や子宮に行き渡ることによって不妊治療の期待もできます。
婦人科疾患の中には、子宮筋腫や頸ガンや体ガンなどもありますが、これら、良性、悪性の腫瘍は、西洋医学のお医者様の領域ですが、それらの不快な症状の緩和や痛みの改善は鍼治療がおすすめです。私自身も、子宮筋腫の不正出血で悩んでいる方の治療で改善した経験もあります。
不快な症状や痛みでお困りの方は、是非、ご相談くださいませ。
お待ちしています!
加世田
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