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首の症例1首から手の痺れ・症例2寝違え
2020-10-23健康情報
加世田 KASEDA
私は、マッサージの資格以外に鍼・灸の資格も保持していて、30年ほど、治療院をやっていました。
その治療院時代に、実際に受診された方の症例を紹介していきたいと思います。
症例1
40代女性
主訴:首のコリと肩のコリ。
右第1指(親指)にシビレが5年前からある。
腰足に違和感ない。
原因:首を横や後ろに動かして、痛みシビレが誘発されるか確認して、椎間板ヘルニアか胸郭出口症候群かの確認をします。症状が激しい時はMRIの検査を勧め、軽度であれば、マッサージ又は、鍼治療を勧めます。
治療:鍼は怖いのでマッサージでお願いします。ということで、首周りの症状の確認をして施術を始めました。
施術中に、斜角筋(首の横にある筋肉)が硬直しているのに気づき、母指で押圧しながら痺れの感覚を確認したところ上腕まで響く(しびれが出る)とのこと。斜角筋をほぐしながら、全身の緊張を取り除くように施術し、最後に仰向けになった時、再度右斜角筋に圧をかけて、シビレの発生の確認をしたところ、右母指までシビレが発生するとのことで、首全体をほぐしながら硬くなった斜角筋もほぐしていきました。
考察:腕神経叢(腕から手先へ行く神経)は首の骨の間から出た後、前斜角筋と中斜角筋の間を通って、みかんの網目の様にくっついたり離れたりしながら、約4本の神経になり手先と脇の下へ神経が走っています。
また、前・中斜角筋の間から鎖骨下動脈も通るため、心臓から出る暖かい血液が手先に向かって流れていますが、斜角筋の緊張で血管を圧迫して流れを止めてしまいます。 そのため、前・中斜角筋の緊張が強くなると、その間から出ている神経や血管を圧迫してしまい、手の冷えやシビレが発生しやすくなり、最悪マヒしてしまう事もあります。
この斜角筋の緊張を緩めてあげることで、手の冷えやシビレを改善することができるのです。
手の痺れの詳しい内容はこちら☟
https://www.toho-massage.com/salon/yokohama/news_detail.php?mode=preview&id=1206
症例2
30代女性
主訴:寝違えて首が回らない(横を向こうとすると痛くて動かせない)
肩こり背中のハリがある。
原因:寝ている時の不自然な姿勢が続いて、筋肉が引っ張られ血流不足になって固まってしまったり、急なスポーツや労働で一部の筋肉が痙攣をおこしたり、関節に炎症が起こることによって発症してしまう。
疲れ果てての睡眠などで、寝返りが少なくなる、パソコンや携帯(スマホ)や長い事務作業などで、頭を動かさなくなるため、首の筋肉に負担がかかることなどの原因が多く診られます。
治療:動かすと首が痛むので、寝違えになってしまったら無理に動かさないで、先ずは、安静が大切です。
お医者さんで、湿布や消炎鎮痛剤や筋弛緩剤の処方で改善する場合もありますが、劇的な効果は、期待できず、1週間程度は、痛みが続く場合もあります。
マッサージの場合は、痛めている局所へのアプローチはせず、周りの肩や背中の緊張を摂り、首の可動域を広げていきます。
筆者は鍼(ハリ)治療もしますので、首の寝違えやギックリ腰や捻挫で急に痛くなった場合は、鍼を勧めます。 急性期の場合の鍼治療は、阿是穴と言う痛みの出ているところに鍼を刺し、散鍼と言って、局所に刺した鍼をチョコチョコと抜き差しして、痛みと炎症を緩和していきます。(これは効果的で劇的によくなることがあります)
考察:首の筋肉や神経の炎症が起きている場合、痛みのある局所だけでなく、周りの肩や背中(肩甲間部)などの筋肉まで硬くなっていることが多いので、しっかりと周りをほぐすことは有効だと思われます。しかしながら、局所の痛みのある所は、マッサージでは悪化させてしまう可能性が高いので初期は触らず、安静が良いと思います。
鍼治療の場合、急性期に関係なく局所へアプローチできるので、寝違えなどの急な痛みにも対応できます。
強い痛みを我慢して生活するのは、とても辛いです。鍼治療で早く楽になった方が良いと思います。
加世田
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