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腸閉塞には鍼(ハリ)が効く!
2020-10-09健康情報
加世田 KASEDA
食べた物が途中で詰まってしまい、腹が張って痛くなったり、排出できなくなった内容物が、口の方へ逆流してくるため、吐気・嘔吐を催すなどの症状に悩まされていませんか?
それは、腸閉塞かもしれません。
開腹手術によって、腸と腹壁、腸同士が癒着したり、腸が捻じれて詰まる、などが原因で、このような症状が出てきます。また大腸ポリープや大腸がんによる閉鎖や高齢者では便秘が原因になることもあります。
私は、マッサージの資格以外に鍼・灸の資格も保持していて、30年ほど、治療院をやっていました。
その治療院の時には、多くの内臓疾患の方を治療して、症状を改善してきました。
その、加世田が腸閉塞について解説していきます。
腸閉塞の症状
〇腹部の疝痛(キリキリ痛む)
〇吐き気・嘔吐
〇お腹の張りや痛み
〇便秘
〇ガスが出なくなる
東洋医学の腸閉塞の見方は
開腹手術の後、体力がなくなり「腎虚」(じんきょ)血液のめぐりが悪く「気血両虚」(きけつりょうきょ)なります。冷えて手術患部もうっ血して、お腹が痛くなり便が停滞してしまいます。
開腹手術後の患部はもともと血行不良になって冷えてしまいます。さらに冷えて腸の動きが低下してウンチは停滞します。腸は炎症を起こして熱がこもると、便秘になります。便秘でいうところの寒秘や虚秘にあたります。腸の活動が止まってしまい腸閉塞になってしまいます。
(下記URLは便秘の事が詳しく書いてあります。)
https://www.toho-massage.com/salon/yokohama/news_detail.php?mode=preview&id=1245
腸閉塞の種類
1:術後の腸管の癒着で、主に小腸が閉鎖します。大腸の閉鎖は大腸がんや便秘が原因で起こります。
2:腸管が捻じれて血流が悪くなります。(腸捻転)腸管が捻じれるため突然の腹部の激痛が起こり、ショック状態になることもあります。 腸管が壊死してしまうことがあるので、緊急手術になることがあります。
3:腹部の手術や腹膜炎の影響で腸管運動の神経麻痺を引き起こす。(イレウス)
4:中毒などで腸管の一部が痙攣して食べた物が動かなくなります。
お医者さんは腸閉塞の治療はどうするの?
腸閉塞は腹部の診察(触診)、腹部のレントゲン、CT、エコー検査で診断して、治療していきます。
上記の1・3・4には、保存的治療が行われます。点滴で脱水症状や電解質(塩)異常に対する治療を行いながら絶飲食で腸を休ませます。症状によっては、抗生物質の投与や内視鏡を挿入して腸管内の内容物やガスを吸引します。効果がない場合には手術になることもあります。
上記の2は時間がたつと腸管が壊死してしまうので緊急手術で捻じれた腸管を解除して、壊死している腸管を切除します。
腸閉塞の予防はどうするの?
便秘が腸閉塞の原因になるため、普段から便秘予防を意識した食生活を送ることが大事で、排便を習慣づけることが予防につながります。ほかにも、運動不足や食べ過ぎに注意して、こまめに水分を補給したり、消化に悪いものや、キノコ類やゴボウ・サツマイモなどの食物繊維の多いものは避けるように心がけましょう。
東洋医学「鍼」で腸閉塞は良くなるの?
経絡(けいらく)とは、電線や道路のような、全身に気(エネルギー)や血(血液や水分)が流れるところを経絡と言います。全身に12本のそれぞれ性質の違う気血が流れています。ツボは経絡上の要所にあり、ちょうど電線が経絡で、流れている電気が気血で、その電気の反応する所が、家でツボになります。全身に360個余りのツボが存在していて、内臓の調子がそのツボに反応(しこりやへこみ)として現れます。また、その反応のあるツボに鍼(ハリ)で刺激を与えると内臓の調子を整える治療ポイントになります。
兪穴(ゆけつ)と募穴(ぼけつ)は、内臓の反応が同じ高さに現れて、背中側と胸部・腹部の同じ高さに現れた反応が治療点(ツボ)になります。
兪穴(ゆけつ)とは、脊椎の棘突起から外側に指2本分のところにあるツボで、内臓に直結したツボで各臓器と同じ名前がついているツボ(~兪)もあります。自律神経の反射ポイントで内臓の異常が同じ所に圧痛や硬結(しこり)として、反応が出てきます。
特に陰の病、すなわち、慢性疾患に効果があります。
募穴(ぼけつ)とは 胸部と腹部にあるツボで内臓の気(エネルギー)が集まるところです。内蔵に異常があると、反応が現れます。
兪穴と募穴は対照的な存在で陰と陽(いんとよう)の関係です。
内蔵に異常があると募穴と兪穴に反応が現れて、その反応の出ている所に鍼(ハリ)で刺激すると内臓の治療になります。
特に陽の病、すなわち、急性疾患に効果があります。
緊急手術以外の腸閉塞には、鍼治療は有効で、腸の運動活性化と癒着やマヒの改善も期待できます。
手術後の腸閉塞の場合、身体は通常の健康な状態に比べて、身体は弱っています(気虚)。 また、手術した患
部は血行が悪く、冷えてしまいます(血虚)。
鍼治療では、腸の働きを正常に戻していくために、腰背部は、大腸兪(だいちょうゆ)・肝兪(かんゆ)・脾兪(ひゆ)・胃兪(いゆ)・腎兪(じんゆ)・次髎(じりょう)などのツボを使います。
腹部は中脘(ちゅうかん)・天枢(てんすう)・大巨(だいこ)・関元(かんげん)・気海(きかい)などのツボを使い腸の働きを助けていきます。
手足のツボでは、気の流れを改善するために、合谷(ごうこく)・支溝(しこう)・足三里(あしさんり)・三陰交(さんいんこう)などのツボを使い期の流れを助けていきます。
身体に入ってきた寒邪(かんじゃ)を取り除くために、三陰交・関元・足三里を使います。
「気虚秘」と「血虚秘」には、合谷・足三里・気海・肺兪(はいゆ)・血海(けっかい)足三里・三陰交・関元を使い、弱ってしまった体と血液の循環を促進していき腸閉塞の状態を改善していきます。
腹部にある疝痛や鈍痛のある場所「阿是穴」(あぜけつ:痛みのある所)にも鍼をして痛みを取り除いていきます。
(注:重複しているツボの使用は、一回のみです。)
完治・完快することはありませんが、お腹の痛みと便秘の改善によって、腸閉塞の改善につながっていきます。
重症化しないための予防治療になります。
繰り返し腸閉塞で腹部が疝痛で苦しんでいる方は、是非、ご相談ください。 加世田
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