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運動不足は危険 ~with コロナ~
2020-07-06健康情報
工藤 KUDOU
今年も半年が過ぎてしまいましたね。上半期の殆どをコロナウイルスの脅威と共に生活してきました。様々な立場の方が、それぞれ新しいスタイルを余儀なくされたと思います。そんな中、テレワークや在宅勤務による運動不足が大きな問題となっています。厚生労働省の健康日本21によると、普段1日の平均歩数が男性では7243歩、女性が6431歩だそうですが、テレワークにより平均歩数が急激に減り、3000歩未満の人が3割もいるという調査結果もあるそうです。
運動は体力低下を抑制するだけでなく、脳が活性化することでセロトニンという神経伝達物質が脳内に増えて、気持ちの面でもリフレッシュさせ、前向きな気持ちを促すといわれています。一方で運動不足は血流が悪くなり疲労物質が溜まることで、すぐに疲れを感じ、消極的になって気分も落ち込み、不眠を引き起こします。身体活動の多い人は、うつ病の患者が20~30%低いという研究結果もあります。
特に、中高年齢者については、体力の低下、生活習慣病等の発症や生活機能の低下(骨や関節、筋肉等の運動器が衰えるフレイルや、ロコモティブシンドローム、認知症等)をきたすリスクが高まります。このため意識的に運動・スポーツに取り組んでもらうことは、健康の保持だけでなく将来的な要介護状態を回避するためにも有効です。
<適度な運動・スポーツを行うことによって得られる効果>
ο自己免疫の向上 ー感染に対する抵抗力
οストレス解消 ―メンタルヘルスの改善
ο体重コントロール ー生活習慣病の予防・改善
ο体力の維持・向上 ―筋力の維持・向上
ο血流の促進 ―腰痛・肩こりの改善。冷え性・便秘の解消。良好な睡眠
子ども ー発育期の健全な成長
高齢者 ―筋量・筋力の維持。転倒防止。認知症予防。食欲増進
生涯にわたって運動・スポーツを楽しむことは、健康の維持・向上ばかりでなく、人生の質、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)を高めるためにとても意味があります。人間は歳をとるにしたがって、カラダのすべての機能が衰えていきます。個人差はありますが、だいたい20~30歳の青年期をピークとして、筋肉だけでなく骨や内臓の機能も衰えていきます。ですが、どんなに歳をとったとしても人間にはトレーナビリティ(トレーニングの可能性。つまりトレーニングによって改善できる余地)が備わっています。若い頃に比べてその伸び率は小さくなりますが、筋力にしろ持久力にしろ、ほとんどすべての能力でトレーニングの成果がみられます。筋力トレーニングの場合、高齢者では筋肥大はそれほど起こらず、神経系の機能が改善して筋力が向上します。老化による筋肉の萎縮は、遅筋繊維に比べて速筋繊維で早く起こります。ですから速筋繊維に刺激を与えるような筋力トレーニングが、運動・スポーツ活動での怪我を予防するとともに、日常のQOLを高めるうえで重要です。
最後に200年以上も前に書かれた「養生訓」からいくつかご紹介(江戸時代の医学者、貝原益軒著)
1.煙草は害が多い
2.多飲を戒む
3.人の身は労働すべし
4.飽食を避け、腹八分目
5.睡眠時間を短くせよ
6.朝早く、温かい粥を食せ
7.点心は食わぬがよい(間食はしないほうがいいよ)
ですって!
まだまだ with コロナは続きますが、あまり過敏になりすぎず、新しい生活様式を受け入れつつ、いつもの日常を取り戻していきたいですね。
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