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胃の老化
2022-12-21スタッフブログ
胃の老化
こんにちは。
LUXAS+横浜 新井です。
50代に入ってから食べる量が減ってきたなぁ~と感じるときがよくあります。
若い頃はこの細い身体でたくさん食べると友人の間では有名でした (笑)
今は胃が膨らまずすぐにお腹いっぱいになってしまいます (涙)
・胃の不調
みなさんも若い頃はなんでもモリモリ食べて、飲んで元気だったのに、最近なんだか食欲がない。
ちょっと食べただけで胃もたれ、胸やけ、というようなこと増えていませんか?
「年齢のせい」で片づけてしまいがちな胃の不調のこと。
少し考えてみました。
・年齢を重ねると食が細くなる理由
食が細くなってしまう理由は、加齢による身体の機能の変化にあります。
年齢を重ねると、胃の弾力性が徐々に低下していきます。
弾力性が下がるということは、食べ物が入ってきても十分に胃が広がらないということで、一度にたくさんの量を溜めておくことができないため、以前と同じように食べることができなくなるのです。
また、油を多く含む食材は胃では分解することができないため、胃もたれのような不快感があり、あまりこってりした食材は好まなくなりがちです。
さらに、胃から小腸へ食べ物を送る蠕動(ぜんどう)運動も低下するため、消化に時間がかかります。
そのため、食べ物がずっと胃の中に留まっていて、すぐにお腹も空きません。
胃の中に食べ物が多く残ったままだと、胃酸過多(胃酸が過剰に分泌されること)が起きてしまいます。
・胃の老化
加齢にともなう胃の不調には、もちろん胃そのものの老化も大きく関わっています。
胃カメラで胃の内部を見ると、若い健康な胃は、粘膜がきれいなピンク色でなめらか。
たっぷり分泌される胃粘液がしっかりと胃を守ってくれます。
ところが胃炎などを放っておくと、胃は老化して粘膜が薄くなり(萎縮性胃炎)、表面は褐色に色あせ、ふやけてデコボコに。
胃粘液の量も減るため、胃もたれや胸やけなどの不調もますます起こりやすくなる悪環境に陥ります。
そして、この老化がどんどん進むと、胃の粘膜が、まるで腸のように変化してしまう(腸上皮化生)というのだから驚きです。
いちがいに老化とはいっても、80代になっても胃の粘膜がピンク色で厚ぼったい人もいれば、10代でもペラペラに薄べったい人も。
胃の老化は個人差が大きく、実年齢とはあまり関係ないのが実情なのです。
・機能性ディスペプシア
「胃が痛い」、「胃がもたれる」、「食べるとすぐに満腹になってしまう」、内視鏡などの検査をしても異常なし。
「こんなに症状があるのに何もないなんておかしい」、、、、、と思われることはありませんか?
それは「機能性ディスペプシア」かもしれません。
聞きなれない言葉ですが、ディスペプシアとは胃や十二指腸から生じる様々な症状を表す言葉で、比較的新しい概念です。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどの必ず治療が必要な病気ではないのですが、つらい症状のため生活の質を落としてしまう病気です。
日本人の6~10人に1人が機能性ディスペプシアであると報告があり、またみぞおち辺りの症状で受診された患者さんの約半数が機能性ディスペプシアとも言われています。
ストレスなどの心理的・社会的要因が関与すると言われていますが、ストレスは個人差が大きく科学的に検証が難しいため詳しいことはわかっていません。
・不快な症状を慢性化させない胃をいたわる食生活とは
胃もたれやみぞおち痛などの症状を慢性化させないためのポイントは。
「腹八分目を心がける」
胃をオーバーワークさせず、また無駄なカロリー摂取も控えられる
「よく噛む」
噛むことで唾液の分泌も活発になり、唾液に含まれる消化酵素がでんぷんを分解し消化しやすくなります。
「ゆっくり食べる」
時間をかけることで満腹中枢が刺激され、少量でも満足して食べ過ぎが防げます。
逆に良くないポイントは
「多量の脂っこいもの」
脂質は消化、吸収に時間がかかるため、胃の負担が大きくなります。
「遅い時間の食事」
胃の中をリセットするための時間がとれず、胃の働きのリズムが狂いがちになります。
「飲酒・喫煙」
タバコを吸うと血管が縮小し、胃粘膜は酸欠状態に。
アルコールも胃粘膜を傷つけます。
・50歳から特に気をつけたい逆流性食道炎
年齢を重ねると、胃だけでなく食道も少しずつ機能が落ちてきます。
他の臓器と比べて、その変化は小さいと言われているものの、胃へ食べ物を送る蠕動(ぜんどう)運動が弱くなったり、括約筋(かつやくきん)の衰えによって食道と胃をつなぐ場所が閉じにくくなったりします。
一方、上記で説明したように、胃では胃酸過多になりがちです。
そのため、胃から食道へ胃酸が逆流してしまうことがあります。
これによって起こるのが、逆流性食道炎です。
むかつく感じや胸やけは、この逆流性食道炎が原因で起こっていることが少なくありません。
・食事の量は減っても栄養はしっかりとろう
歳を重ねると、食事の量が減ることはある程度仕方ないことです。
しかし、あまり食べないでいると栄養不足になって、筋力低下や痩せすぎによる体調不良につながってしまいます。
食事の量は無理なく、バランスに気をつけて必要な栄養をしっかりとるようにしましょう。
具体的には、消化に良い食べ物を食べるようにすること、そのなかでも炭水化物やアミノ酸が豊富なタンパク質を摂取することがひとつの方法です。
50代以降でも食べやすいさっぱりとした味付けで、加熱すると量が食べられる野菜類などを取り入れると、ビタミンの摂取も同時に得られて良いと思います。
しかしながら、50代以降の方は筋肉量が減ってくるので、油を含んだステーキなどの肉類を積極的に食べることが推奨されています。
どうしても食べられないという場合は、肉類の代わりに魚などを多く摂取すると良いでしょう。
・食が細くなったとき何をすれば良いのか
食事そのものが楽しくなるような、家族や友人などと一緒に食べたり、季節のものを取り入れたりといった工夫もおすすめです。
外食や出来合いのもの、配食などもうまく利用しながら、無理なく続けていきましょう。
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