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蜂の習性を知ろう ミツバチ編
2020-06-11スタッフブログ
加世田 KASEDA
アフリカやアマゾンの原住民も森林の樹木や崖にある蜂の巣からハチミツを採取しています。
今や世界中の人がミツバチの恩恵を授かるところです。
そんなミツバチや他の蜂たちのお話をして行きたいと思っています。
日本で流通しているハチミツは西洋ミツバチの蜜と日本ミツバチの蜜の2種類になります。
実はこの2つのミツバチは採取する花の種類から再試方法や回数がまるでちがうんです。
一般店頭に並ぶハチミツは、ほとんどが西洋ミツバチ□のハチミツなんだそうです。
西洋ミツバチと日本ミツバチの違いは『外来種』と『在来種』です。
西洋ミツバチとは、ヨーロッパやアフリカ・中央アジアなどを原産地とする蜜蜂。19世紀半ばに飼育管理方法が広まって以来、家畜として改良され、日本には明治時代にアメリカから輸入されたと言われています。
スーパーなどの店頭に並んでいる商品や、加工食品の原材料に使用されているハチミツのほとんどが、西洋ミツバチのハチミツです。
西洋ミツバチ 日本ミツバチ
蜜源の花 特定の花 複数の花
採蜜回数 年に2回度程度 年に1回度程度
採蜜量 多く採りやすい 西洋の5\%程度と少ない
価格 安価 高価
ミツバチがハチミツをつくるために集める花の蜜源植物は600種類以上あると言われています。
日本ミツバチはもともと日本列島に住んでいた在来種で、西洋ミツバチに比べて飼育が難しく採蜜量も少ないため、商業的に不向きと言われています。
日本ミツバチには巣の中の環境が悪化すると別の棲家へ移動する「逃亡癖」が、、、。
気温など外的環境に左右されやすく、近年は猛暑の夏が多くなってきています。夏になると強い日差しや高温のせいで巣が落ちてしまったり、ミツバチが嫌がって巣から逃げてしまいます。
西洋ハチミツの場合は、木製の巣箱の中に巣枠と呼ばれる板のようなもの(人工的にミツロウでハチの巣の形をした巣礎)を貼り敷き詰めます。ここにミツバチたちは体内から分泌されるミツロウを使って、巣を作っていきます。
採取するときは、西洋ハチミツは巣枠を遠心分離機にかけて採取します。
一方、日本ミツバチの巣箱は重箱式と呼ばれ、木の箱が3段重なった状態で飼育しているので、西洋ミツバチとは違って、ハチたちが巣箱の中を飛び回り、上段の箱から何も無い状態から巣をつくっていきます。
採取するときは上段の箱を取り外し、その後圧搾機にかけます。
西洋ハチミツは日本ハチミツと比べて花粉があまり入らないので、甘みと香りが強めですね。
一方の日本ハチミツは、複数の花の蜜がブレンドされていて、花粉も多く含んでいるため、濃厚で熟成されたような味、やわらかい酸味などが感じられます。
乳児ボツリヌス症による死亡
ハチミツが乳児に危険な理由
生後2週までは、母乳の成分によりボツリヌス菌が腸内にとどまることはありません。しかし、生後2週以降から1歳までは、腸内細菌の構成のために、ボツリヌス菌が腸内にとどまりやすくなり、腸内で増殖し、毒素を産生してしまうリスクがあると言われています。成人は平気でも、乳児はハチミツ摂取により、多くの毒素が体内に回ってしまうことがあるのです。数年前に、日本で死亡事故も有りました。
おばあちゃんが孫の赤ちゃんへ、蜂蜜を舐めさせてしまって死亡してしまったことがありました。昔は年寄りの知恵袋なんて言われていましたが、最近は、、、。
ハチミツやコーンシロップなどのボツリヌス菌が含まれる可能性のある食材を乳児に与えないことは、一般の常識になっています。
毒針
ミツバチは外敵から、巣や身を守るために毒針を持っています。
毒針を持っているのは雌だけで、産卵管の一部が変化したものと考えられており、巣作り・蜜・花粉集め・育児に加え・毒針を使った防御行動までを行っています。(いわゆる働き蜂)
雄ミツバチは産卵管を持たないので、当然毒針も持っていません。(毒針は全種メスの蜂のみ)
毒針は、ハチにとって外敵を攻撃するための有効な手段ですが、毒針にはギザギザした「かえし」があるため、一度刺してしまうと、そこから抜くことができず、ハチの体から引きちぎられます。
残された針と産卵管は自動ポンプのように敵に毒を送り込み続け、他方で針と臓器の一部を失ったミツバチは、ほどなくして死んでしまいます。
が、
これは、対人間(哺乳動物)に限った話しで、昆虫や人間の皮膚よりも柔らかい皮膚を持つ動物が相手の場合、刺した針を抜くことができるので、一刺しと引き替えに命を失うということはありません。
オスのミツバチは交尾のためにだけ存在し、交尾を終えるとやはり生殖器を失い死んでしまいます。
女王バチの針には返しがついていません。すなわち、何度でも人を刺すことができます。しかし、一度巣を作った女王バチは決してその場から離れることはなく、再び針を使う時は、新しい女王バチに巣を承継するときのみだそうです。
日本のオオスズメバチが日本ミツバチ の巣を襲撃した場合、集団攻撃前に蜂球によって撃退されてしまいます。
蜂球形成後、およそ200秒ほどで内部の温度は最高温度(平均35.9℃)に達し、オオスズメバチは10分以内で熱死します。
蜂球内ではミツバチの運動により二酸化炭素濃度が高まっており、これにより、スズメバチの致死温度が低くなっているものと考えられています。
西洋ミツバチは上限致死温度が日本ミツバチよりも低く、蜂球をつくることはできないが、やはりモンススズメバチの腹の周りを圧迫し、呼吸を不可能にして、約1時間掛けて窒息死させるという対抗手段をもっていることがわかりました。
「窒息スクラム」と言います。
攻防の関係は一方的で養蜂家による庇護がなければ必ずといっていいほど全滅さセイヨウミツバチの窒息スクラムはモンスズメバチ以下の小型種しか対応できず、大型で体力があるオオスズメバチの襲撃を受けると容易に巣を全滅させられてしまいます。
(数十匹ほどのオオスズメバチがいれば4万匹のセイヨウミツバチを2時間ほどで全滅させられる)
このことが、分蜂による野生化が毎年あちこちで発生しているにもかかわらず、西洋ミツバチが日本で勢力拡大するのを防ぐ要因になっています。
次回第二弾は アシナガバチとクマンバチです。
加世田
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