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辛いところを施術するだけではその辛さは取れません
2024-02-28健康情報
中園
いつも、ラクサスプレミアム溝の口店をご利用いただき、誠にありがとうございます。整体スタッフの中園です。
今回は、「辛いところを施術するだけではその辛さは取れないことが多い。」、言い換えれば、「辛いところを楽にするためには、他のところを施術しなければならないことが多い。」ということについて御説明してみたいと思います。
その理由は、一言でいえば、人間の全身はつながっていて、全身が連動して動いているから、ということになります。
以前の肩甲骨はがしに関する投稿でも御説明しましたが、例えば、腕を上にあげるという動作一つをとっても、肩関節から腕が上がると同時に、肩甲骨が上方回旋する(外側が上に上がる方向に肩甲骨が回っていく)動作が同時に起こっています。腕だけを上げようとか特に考えないで大きく上げようとすれば、上げる腕と反対方向に背骨が湾曲し、脇腹が伸びる動作も入ります。
猫や犬などを見れば、もっと分かりやすいです。彼らが走るときには、前足と後ろ脚だけが動いているのではありません。背中や首などを含めた全身が、足の動きや身体の移動に伴ってしなやかに動いているはずです。これは、人間でも本来は全く同じであり、全身が連動して動くことで、どこかに負担がかかることなく、スムーズに動くことができる。それが動物としての本来の動きです。あの人はどうも身体の動きが硬いなあと感じることがあると思いますが、その人は、このような全身の連動ができていないということだと思います。
そして、それぞれの動作をするために、多くの筋肉や関節が動くことになりますが、その際、本来動くべき筋肉や関節等のどこかに問題があれば、他の部分に負担がかかり、動きが制約されることになります。先ほどの腕を上げる例で言えば、まず、肩関節そのものが硬くなっている可能性はもちろん、肩関節から腕を引き上げる筋肉がうまく動かない、逆に、腕を引き下げる筋肉が固まっている場合(下げる筋肉が固まっていれば、上にあげる際に引っ張ることになります。)、肩甲骨を上方回旋又は下方回旋する筋肉がうまく動かなかい、また、肩甲骨が前側(胸側)に引っ張られていると腕は上がりにくくなりますから、前側に引っ張る筋肉又は後ろ側に引っ張る筋肉が固まっていることなども可能性として考えられます。さらに言えば、腰や股関節の動きが問題となる場合もあるようです。
かなり昔の話になりますが、オリンピックの100メートル競走で、カール・ルイスとベン・ジョンソンという2人のスター選手がライバルとして競い合っていた時代がありました。当時の勝敗としてはベン・ジョンソンに軍配が上がったと思いますが、これに関して、身体の動きを専門に研究しているある先生は、カール・ルイスが全身をしなやかに動かしていく走りだったのに対して、ベン・ジョンソンは、胴体部分を固定して足と手だけを力強く速く動かしていく走りであり、一見、無駄な動きのないベン・ジョンソンのほうが効率的にも見えるが、カール・ルイスのしなやかな走りこそが人間にとっての正しい走りであるという趣旨のことを述べておられたのを覚えています。ベン・ジョンソンは、その後、ドーピングでメダルをはく奪されてしまいましたので、やはり無理があったのかなあと思われるところです。そして、さらに、その専門家の先生は、ウサイン・ボルトの左右にうねるような走り方も非常に高く評価していました。
このような筋肉や関節のつながりや連動性を、整体、ボディケアにも役立つ方向から説明した医学的な理論として、「アナトミートレイン」や「トリガーポイント」といったものがあります。これらは、主として、「筋膜のつながり」について説明したものです。
さらに、内臓が硬くなることによりそれと接着する筋肉にも影響を及ぼす関係、あるいは、脊椎から出てくる神経の根っこが同じであるために内臓の痛みを脳が筋肉や皮膚の痛みと混同してしまう関係なども医学的には説かれていますし、東洋医学では、ツボ(=経穴)とそのつながり(=経絡)の理論があることはご承知のとおりです。これらも、施術の際に考慮した方がいい要素であり、そういった説明をスタッフから受けたことのあるお客様もおられるのではないでしょうか。
こういった知識や理論も、皆さんが施術を受ける際やセルフケアを考えるのに有用であると思われるので、いつか自分の頭の整理ができたらこのブログで紹介できればと思っていますが、もし関心をお持ちになることがあれば、ざっくりしたものであればネットなどで簡単に出てきますので、確認なさってみてはどうでしょうか。
少し話がずれてしまいましが、上記のような理由から、身体のある部位が辛いからと言ってその場所だけを押したり、揉んだり、ストレッチしたりするだけでは不十分であり、辛い部位、辛い動きに関連する、連動する部位を施術する必要があるということをご紹介したかったというのがこの投稿の趣旨になります。
当店は、リラクゼーションサロンとしてお客様の全身のお疲れを取るべく、全身をひととおり施術させていただくことが多いので、当店をご利用くださるお客様はあまり気にすることはないかもしれませんが、そういう考えの下で我々スタッフが施術していることもご理解いただければ幸いです。
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