正確な医学的な見解ではどうなんだろうかと思い、ネットでいろいろと調べてみました。私が調べた限りでは、どうやら、コリとかハリというのは学術用語ではないようですが、それでも、整形外科や柔道整復師、整体の専門家の方々がいろいろと書いておられました。２つ拾ってみます。

見解①
〇　コリは、最も負担のかかるところに局所的に存在する。筋肉が縮み、血流不足が起こるので、酸欠状態になり、ズンズンとした痛みを感じる。ピンポイントに押すアプローチが有効とされる。
〇　ハリは、コリの周辺に全体的に存在する。伸ばされるストレスを受け続けるので、可動域制限・だるさを感じる。局所的でないので、ストレッチが有効。
〇　局所的に負担がかかる動作・姿勢によりストレスがかかり続けることで、筋肉が固まる。＝コリの発生　→コリによって、筋肉が伸ばされてストレスを受ける。＝ハリの発生

見解②
〇　コリとは、「筋肉が、力を入れようとしているわけでもないのに収縮し固く緊張してしまって、力を抜こうとしても自力では緩めることができなくなった状態」を指す。収縮の負担がかかり続けた筋肉に起こり、筋肉の毛細血管が圧迫されて血流が悪くなって酸素や栄養が筋肉に届きにくくなるとともに、代謝物が疲労物質として筋肉内部に溜まる。
〇　「筋肉が引き伸ばされた状態で固まってしまって筋力(筋肉が収縮する力)を発揮しにくい状態」で、多くの場合「コリ」の周囲やコリのある筋肉と拮抗する筋肉（※）に起こる。コリと同じように血流は悪くなって疲労物質がたまりやすく、筋肉の柔軟性は低くなっている。

※　「拮抗する筋肉（拮抗筋）」というのは、簡単に言えば、ある筋肉が縮むときに、その結果として伸ばされる筋肉のことです。例えば、上腕二頭筋（力こぶを作る筋肉。肘を曲げます。）とそれに対する上腕三頭筋（上腕の後ろ側の筋肉。肘を伸ばします。）、腹筋群（腹直筋、内・外腹斜筋等。上体を前に曲げます。）と脊柱起立筋（背中の背骨の両側にある大きな筋肉。上体をまっすぐに起こし、反らします。）などです。

　上の２つの説明は、表現はだいぶ違いますが共通するポイントとして次の２つがあり、これを踏まえて上の説明を読むと、確かに、私たちがなんとなく感じている「コリとハリ」のイメージに近い感じがするのではないでしょうか。
１　負担のかかる筋肉が硬くこわばるとその筋肉が伸びにくくなり、そのために全体としての長さが足りなくなる。＝コリ
その結果、その筋肉につながる筋肉や拮抗筋が引き延ばされた状態が継続し、負担がかかり続けることで硬くなる。＝ハリ
２　いずれも筋肉が硬くなるために、血行が悪くなって酸欠状態が生じる。

　一方で、必ずしも我々の感覚に合致しない場合もあるように思います。例えば、めったにやらない運動を激しく行った後などに、腿やふくらはぎが筋肉痛を伴って筋肉がパンパンになる場合などにも「張っている」ということがありますし、猫背気味で背中が硬い場合には、上記の「コリ」に該当するように思えるとともに、「ハリ」にも当たるように思われます。

　いずれにしろ、これを楽にするために考えるべきことは「血行を良くすること」ということになります。また、引っ張る側が基本的な原因となる可能性が大きく、したがって、どちらかと言えば、「コリ」の側から対処した方が、結果として「ハリ」の側にも影響を及ぼしやすいのではないか、ということが言えると思います。

以上、少し難しい説明になりましたが、セルフケアに取り組む際の参考としていただければ幸いです。　

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