あれ実は科学的にも証明されていて、『ゲートコントロール説』というなんかカッケェ名前がつけられています！
ざっくり説明すると「痛い」感覚と「触圧覚（体を触られたり圧迫される感覚のこと）」という感覚が同時に起こるとき、脳に優先的に伝えられるのは『触圧覚』の方なんです。その時「痛み」の感覚は（全てではないにしろ）「シャットアウト」されるという現象が起きるのです。無意識に自分で痛いところを押さえるのも、「触る」という感覚で「痛み」を上書きしているということなのです！
まるで『門』によって「触圧覚」は通され、「痛み」は門前払いされているかのように、それぞれコントロールされるようにみえることからその名前がついたそうです。

これは慢性的な腰痛や首肩の痛みのほぐしも同様であるという見方もできます。
腰が『痛い』という感覚を、「強くほぐす」というのは『触圧覚』の情報がより多く入るということになります。
先述の通り、脳に優先的に伝えられるのは『触圧覚』ですから、圧としての刺激が強ければ強いほど『痛み』をシャットアウトできるのですね。

あくまでゲートコントロール説だけの１つの見方として極端にいえば「痛みを触圧覚で紛らわす」のと同じ理屈といえるでしょう。
もちろんこれは、「実際に筋肉の緊張が緩和したかどうか」などの点を考慮しなければ、ということと、また「疾病や怪我・手術の痛みなどを除く、一般的な筋緊張由来の痛みの話」ではあります。

ところで、そもそも『痛い』とは何でしょうか？

“痛み”は「身体の怪我や異常を知らせてくれる体からのサイン」です。
つまり『警報器』です。

「痛み」というのは当然不快で嫌なものなので、誰でもそれを無くしたいと思うのはごもっともです。

ですが、『腰が痛いから腰❝だけ❞ほぐして！強押しで！』というのは実はめちゃくちゃ危険な行為である、と私個人は考えています。（※あくまで個人的にね！⇐強調）

どういうことかというと先ほども申しましたとおり、腰痛でいえば『強く負担がかかっている』という『警報』を、『痛み』として自分自身に知らせてくれているわけです。
それを“強押し”することで紛らわすということはつまり、『警報器がうるさいから大音量で音楽を流して掻き消す』みたいな状態です。
あるマンションの一室で火事が起こっていて『火災報知器がうるさい』と警報をぶっ壊して止めてしまうのは、なんか解決とは程遠いですよね。
つまり痛み自体はあくまで警報器であって、決してそれ自体が悪者ではないのです！

『筋肉が凝って痛いんだからそこをほぐすのは当然だろ』『そこが火元なんだからほぐすのは消火活動そのものだろ、屁理屈め！』と反論が聞こえてきました。そうですね。
ですが、腰痛や首肩の慢性的な痛みやコリ感は『そこに負担がかかっている』ということの表れであるので、そこだけをほぐして仮に筋肉が柔らかくなったとしても、『そこに負担がかかり続けること自体に変わりはありません』。

燃えているところ“だけ”を消火しても、「原因は実はずっとガス漏れし続けていることだった」ってことに気がつけなければ、いつまでも燃料は投下され続け火が消えることはありません。

たとえ一時的に消火できたとして、ガス漏れ自体は解決していないので、何かの拍子にすぐまた引火するでしょう。「ほぐすと調子いいんだけど、何日かするとすぐ戻っちゃうんだよね」とはよく聞く話です。

『仕事してるんだから負担かかってんの当たり前だろ！辞めたらええんか？養ってくれるんか！？』お怒りはごもっともです。

それを解決するには、一部分だけに注目するのではなく、例えば『①全身的な調整によって負担を分散できる状態にする』、『❷身体の使い方を変えて負担がかからないようにする』など工夫や変化が必要になります。

『❷身体の使い方を変えて負担がかからないようにする（⇒ガスの元栓を自分で締めれるようにする）』実際にそういう方法はあります。


……え？『そういうのは面倒』……？？


では、そういう方はまず『①負担を全身的に分散できる状態にする』ために、一部分的ではなく全身的な施術を是非受けてみてください。



ということで今回は以上です！
最後までお読みいただいた方、ありがとうございます！(^^)


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